家の階段の手すりを自分で取り付けたいと考えても、人の体重を支える大きな設備なので安全に取り付けられるか不安がありますよね。
自宅の階段の手すりは、正しく道具を使い、手順を守って作ることで自分で取り付けられるのです!
材料は全て身近なホームセンターでそろえられますし、工具がない場合は1泊数百円からのレンタルサービスもあります。

私の実家も手すりがなく、高齢の母のためにも手すりの必要性を感じています。
この記事では、diyで階段の手すりを取り付ける方法を道具や材料の選び方、費用について詳しく解説し、手すり設置に利用できる補助金制度も紹介しています。
手すりを自分で取り付けることで、家族が安全に暮らせる家づくりができますので、参考にしてください♪
階段の手すりを自分で取り付ける際の注意!手順を守る

自宅の階段に手すりを付けるには、業者に施工をお願いする方法と、自分で取り付ける方法があります。
階段の手すりは人の命を守るための物なので、自分で取り付けるときには自己流ではなくしっかり手順を守り、安全に設置しましょう。
平成12年以前に建てられた住宅には手すりの取り付け義務がなく、現在も手すりがない状態の階段がかなりの数で存在すると考えられます。
手すりはお年寄りのためというイメージが強いですが、無意識のうちに意外と使っていて、手すりを付けることで生活がしやすくなりますよ。
階段の手すりの必要性や、自分で取り付ける際の注意点を詳しく解説します。
階段の手すりの設置は義務!思わぬ事故を未然に防ぐ
階段の手すりには事故防止や動作のサポートをするという役割があり、現在は法律で取り付けが義務化されています。
階段での転倒や踏み外しはケガや骨折につながり、特にお年寄りは骨折がきっかけで寝たきりになってしまうこともあるのです。
内閣府の調査によると65歳以上の高齢者は、住み慣れた自宅での事故発生割合が高く、階段は2番目に事故が多く発生している場所です。
- 事故防止のため
- 動作のサポート(昇降の補助)
- 法律で義務付けられている

事故が起きる前に、手すりを設置して対策をしておきたいわ。
階段が危険なのはお年寄りだけでなく、登るときも降りるときも一瞬でも片足立ちになり、誰でも姿勢が不安定になりやすいです。
特に、体のバランスを取るのが難しい妊婦さんやケガをした人、小さな子供は、手すりが支えになってスムーズに移動できます。

建築基準法では、階段に手すりを付けることを義務付けています。
平成12年の建築基準法の改正で手すりの設置が義務化されましたが、その背景には落下防止があり、手すりの必要性の高さが感じられます。
自分で階段の手すりを取り付けるメリットと注意点!
自分で階段の手すりを取り付けると費用が抑えられるというメリットがありますが、人の命を守るための物なので、手順を守り安全に完成させる必要があります。
直線階段であれば比較的簡単に取り付けられますが、複雑な階段の場合や安全性に不安を感じる場合はプロの施工がおすすめです。
- 費用を抑えられる
- 直線階段なら比較的簡単に取り付けられる
- 必ず壁内部の柱部分に手すりを設置する
- 手すり棒のカットは正確な長さを測定
- 一人では作業しない
手すりは体を支えるため結構な重さが掛かり、柱以外に設置してしまうと壁が重みに耐えられずに壁が破損したり、事故につながったりします。

下地探し器具を使って、柱の正確な場所を把握しましょう!
階段の手すりは、手すりを握ってから上り下りを始めるという動作の順番があるため、階段より少し長く作ったほうが安全です。
手すり棒は始めと終わりに取り付けるエンドキャップに挿し込む分の長さも合わせて、正確に測定してから作り始めましょう。
取り付けは角度調整やねじ止め時など一人では難しい作業が多く、私が調べた実例ではプロの業者でも2人がかりで設置していました。

手を貸してくれる人と一緒に作業することで、安全性の高い手すりが出来上がります。
しっかりと手順を守って作ることで、自分でも安全に階段の手すりが取り付けられることが分かりました。
階段の手すりをdiyする♪材料と道具と手順を徹底解説!

階段の手すりをdiyする場合、材料は全てホームセンターでそろえられ、道具は下地探し器具と電動ドライバー、のこぎりを用意する必要があります。
下地探し器具は1,200円程度で購入できますが、カインズホームでは1泊500円でレンタル可能です。
その他に必要な電動ドライバーとのこぎりも、それぞれ1泊500円でレンタルできますし、木材カットのサービスもあります。
手すりの種類の選び方や、取り付ける手順を詳しく解説していくので、diyでも自信をもって取り付けられますよ♪
家族の生活スタイルに合わせて手すりの太さと形を選ぶ
手すりの種類は一般的に丸い棒状、平らな板状、グリップ手すりの3種類がありますが、最も大切なことは目的に応じた形と太さを選ぶことです。
握りやすく使いやすい太さは「直径32~35程度の太さ」とされていて、手のひら全体でしっかり握れる太さになります。

握ったときに指先同士が触れるくらいの太さです!
手すりの種類 | 特徴 |
---|---|
丸い手すり | 手を滑らせるように歩ける 移動がスムーズでしっかり支えてくれる |
平らな手すり | 手のひらで押すように体重を掛けられる 手を乗せて、指でもしっかりと手すりをつかめる安心な形状 |
グリップ手すり | 凸凹の形状に加工されている 滑らずにしっかり握れる 指に凸凹がフィットするので滑りにくく握りやすい |
私の実家は母が一人暮らしで、洗濯物を干しに行くときに2階に上がるので、片手に荷物がある状態で上り下りすることが多いです。
この場合は、スムーズに移動できる丸い手すりか、滑る心配のないグリップ手すりが良いのかなと思いました。
日常的に階段を使っている人に合った手すりを選び、ホームセンターで実際に握ってから購入できると良いです。
階段の手すりは、持ち替える動作をなくしバランスを崩すことを避けるために、踊り場がある階段では途切れないように設置しましょう。
材料はホームセンターで購入可能!セットを選べば簡単
カインズホームのHPで必要な材料を検索したところ、全ての材料をそろえられることが分かりました。
丸棒など長い物は配送してもらうと楽ですが、オンラインショップだと取り扱いがない種類もあったので、事前にHPで調べてから店舗に行きましょう。
ここでは直線階段に取り付ける丸棒手すりをdiyで作るために必要な道具、材料について詳しく解説します。
道具 | 使い道 |
---|---|
下地探し器具 | 壁の中の柱を探すときに使う |
電動ドライバー | 全てドライバーでねじ止めする |
木ネジ | ブラケット購入時に付属してこない場合は購入 |
のこぎり | 手すりのカットに使う |
メジャー | 4m以上が望ましい |
マスキングテープ | 実際の手すり分の長さが必要 |
壁の中の柱は壁を叩いて探すという方法もありますが、大体の場所しか分からないので、手すり作りの場合にはおすすめしません。
今回の手すりの取り付けを機に他にもdiyに挑戦しようと考えている場合は下地探し器具の購入を検討しても良いでしょう。
下地探し器具は『シンワ測定株式会社の下地どこ太』が一番リーズナブルで、マグネット式で壁に穴を開けずに柱を見つけられます。

壁に下地どこ太の先端をあてて移動させ、マグネットが壁側に移動したところが柱にビスが打ってある場所で、このビスを避ける形で、柱に手すりをネジ止めしていきましょう。
材料 | 使用箇所 |
---|---|
木製の丸棒 | 手すりとして使う |
中間ブラケット | 手すりを支える 手すり同士をつなげる |
エンドキャップ | 手すりの端に取り付ける 「エンドブラケット」でも可 |
※自在ジョイント | 曲がり部分を作る場合は必要 |
「中間ブラケット」は壁内の柱部分に等間隔で付ける部品で、手すりを支えたり手すり同士をつなげたりする役目があります。
直線の階段の場合は90cm間隔で壁に中間ブラケットを取り付けた後、手すり棒を中間ブラケットに取り付けることで手すりの設置完了です。

中間ブラケットは、手すり棒を支えるタイプと中に通す筒状タイプがあります。
L字やU字に曲がっている階段の場合は、「自在ジョイント」という部品を使って、手すりを階段に沿って曲げて設置していきます。
手すりの始めと終わりの両端は、木がむき出しにならないように「エンドキャップ」を取り付けましょう。
洋服の袖口が手すりの端に引っかからないようにする「エンドブラケット」という商品もあるので、用途によって選べますよ。
手すり作りのポイントは壁内の柱見つけとサイズ計測!
手すりは両方の壁に取り付けることが理想ですが、降りるときを優先したいので上から見て利き手側の壁に取り付けましょう。
最も簡単にdiyで取り付けられる直線階段の手すりの作り方は6つの手順で、壁内の柱を見つけることと、サイズを正しく計測することが大切です。
設置する高さは階段の段の先端部分から75cm程度が一般的ですが、使う人の身長に合わせて調節できると良いです。

ポイントは手すりを握ったときに、肘が当たるか当たらないかくらいの高さです!
- 手順①壁に手すりに見立てたマスキングテープを貼る
高さ75~85cmの位置で階段の登り口から2階まで貼っていく
階段より少し長めにする - 手順②壁の下地の中に入っている柱を探す
下地探し器具を使って柱を見つけたら柱の真ん中に印をつける
印部分が中間ブラケットの設置場所になる(90cm間隔) - 手順③中間ブラケットを仮止めで固定
手順②の印部分に丸棒がくるように高さを考えて仮止めする
手すりを通すまでは仮止めにするとやり直しがしやすい - 手順④階段の長さに合わせて手すり棒をのこぎりでカット
メジャーで正確に測る
エンドキャップに差し込む部分を考慮してカットする - 手順⑤カットした手すりを中間ブラケットに差し込み、ブラケットを固定
手すりの角度を確認しながら電動ドライバーでネジ止めする
- 手順⑥手すりの端にエンドキャップを設置して完成
力を掛けて強度の確認
上り下りしてバランスに問題ないか確認
始めに手すりに見立てたマスキングテープを貼ることで、手すりの角度調整がしやすく迷わずビス止めができます。
曲がり階段などの場合は、手順④でそれぞれの長さに手すりをカットする工程が増え、自在ジョイントを使って手すりを曲げていきます。
階段の手すり費用をdiyとプロで比較!補助金制度もある

業者に施工をお願いするよりも、diyで階段の手すりを取り付けたほうが費用が安く済みますが、具体的にどの程度差が出るのか調べました。
費用を安く抑えるとdiyは材料費1万円〜で取り付けられ、業者の相場は7万円〜15万円です。
階段の手すりは、条件に合えば介護保険制度や自治体の補助金を使って取り付けることも可能なので詳しく解説します。
diyなら材料費1万円以内で手すりの取り付けが可能♪
業者に施工をお願いすると、材料費と作業費がかかりますが、diyの場合は材料費だけで済むので費用を抑えて取り付けることが可能です。
住宅用の手すりセットも販売されていますが、最も安く取り付ける方法は材料を一つずつ自分で購入することです。
材料 | 金額 |
---|---|
丸棒4m 1本 | 3980円~ |
中間ブラケット 5個 | 918円×5個=4,590円 |
エンドキャップ 2個 | 538円×2個=1,076円 |
中間ブラケットとエンドキャップに取り付けネジが付属されているので、購入する材料は3種類で、1番安い丸棒を選べば9,646円と1万円以内で取り付けられます。
自分で一つずつ商品を選ぶのが大変だと感じる場合は、丸棒とパーツがセットになっている「階段手すりセット」を選ぶと10,800円です。

セットのデザインが気に入れば簡単に購入できます!
インテリアの雰囲気に合った丸棒やブラケットを選んだり、L字やU字の階段でパーツが増えたりすると費用は増えていきます。
プロの相場は7万円から!安全重視するあなたにおすすめ
プロの施工の費用には商品代金に取り付け工事代金が加えられるため、金額が上がってしまいますが、職人の仕事には安心感がありますよね。
diyと同じように階段の形や面積によって、手すりの形状や接続金具の数が変わるので簡単に比較するのは難しいですが、複数のサイトで調べました。
取り付け業者 | 直階段の設置費用 |
---|---|
Aサイト | 70,000~150,000円 |
Bサイト | 商品価格40,3392円 工事代金30,000円 合計約73,392円 |
Cサイト | 本体価格38,000円~45,000円 取り付け工事45,000円~50,000円 合計83,000円~95,000円 |

最も安くて7万円~なので、材料費1万円で作れるdiyと比較すると高額に感じます。
業者に施工をお願いすると、手すりにLEDライトを付けるプランもあり、より安全な手すりづくりができることが分かりました。
材料を自分で購入して、設置のみプロにお願いするプランがある会社もあり、そのほうが安く抑えられると思いました。
業者に施工をお願いしたいけれど費用が気になる場合は、条件に当てはまれば補助金も利用できます。
条件に合えばお得に設置できる!補助金制度の使い方
家の階段に手すりを付けるリフォームに補助金を使うには、介護保険制度か各自治体の補助金制度を利用する方法があります。
介護保険制度は介護を必要とする高齢者に向けた保険で、介護保険認定を受けた場合に使えるサービスです。
私の実家があるM町は『M町住宅リフォーム振興事業補助金制度』という制度があり、町内業者によるリフォームを行う際に利用できます。

独自の補助金がない自治体もあるので、お住まいの市区町村のHPを見ましょう。
補助金を使うことで自己負担が少なくて済みますが、どちらの補助金制度も条件に当てはまらないと利用できませんので詳しく解説していきます。
解説項目 | 介護保険制度 | M町住宅リフォーム振興事業補助金制度 |
---|---|---|
対象者 | 介護保険認定で要支援または要介護認定されている 利用者が居住する住宅で、被保険者証の住所と同じ | 住宅の所有者及び同一世帯に属する全員が町税等を滞納していない M町に1年以上住所を有する者 住宅の所有者であり、現在居住している |
対象工事 | 介護される人が安全に暮らすための改修工事 手すりの取り付け、段差の解消、床材の変更、引き戸への取替え、トイレなど | 住宅の増築、改築、修繕工事 工事代金が10万円以上 資格登録を受けた町内の業者が改修工事を行う |
補助金額 | 要支援、要介護の区分関係なく上限20万円 収入に応じて1~3割を負担 | 工事代金100万円以上の場合は20万円 10万~100万円の場合は20% |
注意点 | 申請前の工事は対象外 | 申請前の工事は対象外 |
申請前の工事は対象外になっているので、介護保険制度の場合はケアマネージャーに、自治体の場合は窓口に相談することから始めましょう。
具体的に、15万円の階段の手すり取り付け工事を行う場合の自己負担額がそれぞれこちらです。
- 介護保険制度 1万5千円~4万5千円
- M町の補助金 12万円
介護保険制度は補助率がとても高いので、条件が合えば費用を抑えて取り付けられますが、自宅のバリアフリー化は手すりだけでは完了しません。
トイレやお風呂などdiyでは不可能な工事に補助金を充て、階段の手すりはdiyというのも一つの方法だと思いました。
まとめ

- 階段の手すりには思わぬ事故を未然に防ぐ、動作のサポートをするという役割があり、平成12年より建築基準法で取り付けが義務化されている
- 自分で取り付けると費用が抑えられるというメリットがあるが、人の命を守るための物なので、手順を守り安全に完成させる必要がある
- 手すりの種類は一般的に丸い棒状、平らな板状、グリップ手すりの3種類があり、最も大切なことは目的に応じた形で使う人に合っていること
- 最も簡単に取り付けられる直線階段の手すりは6つの手順で完成し、壁内の柱を見つけることと、サイズを正確に計測することが大切
- 自分で取り付ける場合、材料や下地探し器具などの工具は全てホームセンターでそろえられ、材料費だけなら1万円前後の費用で済む
- プロの施工の費用は7万円前後からで、商品代金に取り付け工事代金が加えられるので金額が上がるが、安心感もある
- 階段の手すり取り付け工事に利用できる補助金制度は、介護保険制度と各自治体の補助金制度がある
- 補助金制度の条件に合えば自己負担額を抑えて手すりが設置できるが、補助金制度のない自治体もあるため確認が必要
階段の手すりのような大きな設備でも、身近なホームセンターで材料がそろえられ、手順を守ることで安全に設置できると分かりました。
いつ起こるか分からない事故を未然に防ぐためにも、階段の手すりを自分で取り付けて家族が安全に暮らせる家づくりをしましょう♪
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