新築の太陽光で後悔しないために、導入にかかるコストを回収するまでには10年前後の期間が必要なことを理解しましょう。
これから新築するのですが、太陽光を設置するかどうか迷っています。
私も新築した際に太陽光設置するかどうか迷いましたが、夫はメンテナンスや費用対効果の面で設置しないという判断をしました。
しかし電気代が高騰したり、災害が増えたりしているので、新築のときに太陽光設置すれば良かったかもと後悔しています。
太陽光設置すると決めた場合、設置費やメンテナンス費用、業者選びやよくあるトラブルなど、検討すべき課題を後回しにすると後悔しますよ。
この記事では新築の太陽光で後悔するパターンとその対策、設置することでのメリットや太陽光設置義務化についても解説しますのでぜひ参考にしてください。
こちらの書籍は太陽光発電を設置する前に知っておきたい、導入のポイントから注意点までを分かりやすく説明しています。
太陽光の初心者でも理解しやすい内容で、読後はメリット・デメリットについての理解が深まること間違いなしですよ。
新築の太陽光導入で絶対後悔したくないあなたにおすすめの本です。
新築の太陽光で後悔するパターン!理由と対策を紹介
太陽光設置は初期費用以外にもコストがかかったり、補助金などの制度を知らなかったりと後悔するパターンがあるため正しい知識が必要です。
- 太陽光パネルを住宅の屋根に設置して、太陽光のエネルギーを電気に変換して利用
- 太陽光で得た電力を家庭で使用できる電流に変換するためにパワーコンディショナーが必要
太陽光はパネルだけでなく、自宅で使用できる状態にするための機械が必要なのですね。
太陽光を導入するのは費用がかかるので後悔は絶対したくないです!
後悔するパターンを以下の表にしました。
後悔するパターンの多くはお金に関することなのがわかります。
1つずつ詳しく説明しますね。
設置費用が高くコストを回収するまでに時間がかかる
太陽光発電を契約する前に発電量、売電収入、電気代の節約がどれぐらいになるかをシミュレーションすることが重要です。
太陽光発電の設置費用の相場は1kWあたり約28万円で、一般住宅では3〜6kW程度の出力で運用するパターンが多く6kWの場合168万円ほどになります。
太陽光発電設備の売電収支と投資回収期間は次の式で計算できるので参考にしてください。
売電価格は固定価格買取制度(FIT)という国の制度で決まっているため、投資回収期間を早めるためには以下がポイントです。
- 設置費用を抑える
- 発電量を増やす
- 維持経費を抑える
太陽光設置費用は昔と比較してかなり安くなっていて、補助金が活用できる場合はさらに設置費用を抑えられますよ。
十分な発電量を確保するためには、太陽光パネルを最適な位置に設置しましょう。
日当たりの悪い土地に太陽光パネルを設置しても、発電量が得られないため初期費用は回収できず後悔します。
新築で太陽光を設置するなら発電量が十分に得られる、日光がよく当たる土地を選ぶことが重要ですよ。
また屋根の形は多くのパネルが乗る片流れ屋根かつ南向きであれば、より多くの発電量が得られます。
売電収入は年々減っていて2023年には1kWhあたり16円ですから、現在は電気を売って初期費用を回収するのが難しくなっていますね。
年々電気代は高騰しているので、売るよりも自家消費するほうが経済的です。
定期的なメンテナンスや修理などの維持費が必要
太陽光発電は設置費用に加えて、メンテナンスや修理費などの維持費がかかることを理解していないと後悔します。
太陽光発電の維持費を以下の表にしました。
メンテナンス・維持費の内容 | 費用の目安 |
---|---|
定期点検(4年に1回) | 1万〜2万円/回 |
パワーコンディショナー交換 | 10万〜40万 |
売電メーター交換(10年に1回) | 1〜2万円 |
パネルクリーニング | 500円〜1,000円/枚 |
火災保険・賠償責任保険など | 1万〜4万円/年 |
太陽光は設置費用以外にこんなにお金がかかるんですね。
太陽光を導入するために維持費がかかると最初から理解していれば想定内と思えますが、後で分かると負担がのしかかり後悔します。
メンテナンス費用や修理費なども太陽光を運用するための必要経費と理解しましょう。
将来太陽光を交換や撤去するときにもお金がかかる
太陽光パネルは機種により寿命が変わるため、パネル選びも重要で高温高湿試験が2000時間以上で20年〜25年相当と言われています。
寿命が短いものであれば10年〜15年というパネルがあり、この場合設置費用は抑えられますが住んでいる間に1回〜2回交換が必要になるかもしれません。
交換や撤去する際は足場を立てるにも、パネルを廃棄するにも費用がかかります。
例えば製品・出力40年保証マキシオンのパネルを選ぶと初期設置費用は高額になりますが、新築で設置した場合に長く交換する必要がないのは魅力的です。
太陽光設置にかかる1kWあたりの費用相場を表にしました。
メーカー | 費用相場 |
---|---|
マキシオン | 30万円 |
パナソニック | 20万円 |
カナディアンソーラー | 16万円 |
設置するときだけのことを考えるのではなく、製品の寿命や保証、交換や撤去するときのことまで考えることが後悔しないポイントです。
補助金制度を知らずに太陽光を購入してしまい損をした
太陽光発電の設置は自治体の補助金制度を活用すると、太陽光発電の購入時にかかるコストを軽減できる可能性があります。
必要な条件や実施時期などがあるため全ての人が利用できるとは断言できませんが、条件を満たしている場合は積極的に利用すればお得です。
他には太陽光発電の設置が前提のZEH (ゼッチ)住宅は、一戸当たり55万円(ZEH+の場合は100万円)の補助金が受けられますよ。
政府は2030年までには、新築住宅の約50%をZEH住宅にすることを目標にしているため、太陽光設置も進むと考えられます。
これから太陽光を設置する場合、補助金制度や住宅の仕様をどうするかも含めて検討したほうが良いですね。
最寄りの自治体で使用できる補助金制度があるか調べておきましょう。
訪問販売ですすめられて相場より高い費用で購入した
太陽光設置は設置やメンテナンスにコストや専門的知識が必要なため信頼できる業者選びが重要です。
新築にしたとき、毎日のように太陽光のセールスマンがきたのが正直うんざりでした。
たいてい太陽光の良いところだけを一方的に押し付けるセールストークでしたね。
悪徳な業者であれば、高額な費用で適当な工事をしたり、理由をつけて最初の見積もりから金額を上乗せしたりと大変な目に遭うかもしれません。
必ず3社以上の複数社から見積もりをとり、誠実に対応してくれる業者を選ぶと後悔を避けられますよ。
本体の保証期間や設置業者の保証期間も確認して、アフターフォローが手厚い業者を選ぶと故障やトラブルの際に安心です♪
- 理解できる言葉で説明してくれるか
- 納得できる説明をしてくれるか
- しっかりとした受け答えができるか
あなたが質問したときに曖昧な回答や、間違った回答をする業者は経験不足や知識不足の可能性が高いので注意しましょう。
質問することで太陽光設置についての理解も深まり、業者との関係性構築にもつながります。
わからないことはどんどん質問することが大切ですね。
パネルの反射光で近隣との関係性が悪化してしまった
太陽の動きは決まっているため太陽光設置前に、反射光がどこに何分当たるかシミュレーションしてもらえる業者を選べばトラブルを回避できます。
太陽光パネルの反射光が、向かいの家に当たり裁判になったというニュースをみました。
反射光は反射の法則に従い、入射角と反射角は等しくなるため同じ場所に反射光が当たり続けることは絶対にありません。
高額なお買い物をしてから反射光で後悔したり、ご近所との関係性が悪化したりするとストレスですよね。
ご近所のトラブルを極力避けられるように、反射光をシミュレーションして太陽光を設置できる業者を選べば安心です。
パワーコンディショナーの動作音トラブルもある
パワーコンディショナーの動作音のレベルを把握し、事前に隣近所に説明するとトラブルを回避できます。
パワーコンディショナーの動作音は40デシベル程度で、エアコンの室外機と同程度の音量です。
エアコンの室外機なら騒音レベルではないと思うかもしれませんが、実際にパワーコンディショナーの動作音でトラブルになったケースがあります。
動作音は確かにするので、「事前にご近所にはエアコンの室外機程度の音が出ます。」と説明しておくと安心です。
建築段階であれば隣の家の窓付近に設置するのを避けると良いでしょう。
業者の倒産に備えて書類は一括管理しておくと安心
業者が倒産しても太陽光のアフターケアが受けられるように必要書類は一括管理しておくことが大切です。
太陽光発電の業者が増加している一方で倒産する業者が多く、アフターケアに困る場合があるので注意しましょう。
業者が倒産しても必要書類があれば他の業者でも対応できるので慌てずにすみますよ。
万が一の時にもスムーズに行動できるように以下の3つの書類を用意しておきましょう。
これらの書類はいざというときに一目で分かるよう一括管理をすることをおすすめします。
私は書類の管理が甘くいつも探し歩いているので、このような必要書類を紛失しないように工夫が必要です。
新築で太陽光のメリットは電気代節約や災害に強い
新築に太陽光を導入するメリットは電気代の削減や災害対策としての価値にくわえて、環境への貢献が高いことです。
自宅に太陽光を導入するメリットは以下を参考にしてください。
詳しく説明していきますね。
自家消費できる電力が増えれば電気代の節約になる
太陽の光を利用して電力を生成し自家消費できる電力量が増えると、電力会社から購入する電気量が減少するので電気代の節約ができます。
また使いきれなかった余剰電力は、固定価格買取制度(FIT)を利用して電力会社に売電し収益を得られますよ。
なぜこんなに電気代が高いのかしら?
燃料費の高騰は燃料調整額と再エネ俯瞰金が上昇していて、電気使用量に対して課金されていくからです。
日本の発電は火力発電が占めており、天然ガス・石炭・石油といった化石燃料を用いて発電します。これらの燃料をほとんど輸入に頼っているのですね。
輸入費が上昇すれば火力発電のコストが大きくなるため、電気代も上昇します。現在の燃料コストが高い主な原因は、ウクライナ情勢と円安です。
この制度は2012年からスタートしているのですが、私は今まで知らないうちに支払っていたことが分かりびっくりしました。
電気を使用すればするほどこれらの金額が使用した電気代に上乗せされるので、太陽光で電気を自家消費できれば大きな節約になります。
生活に必要不可欠な電気を自給自足できる安心感
生活に必要不可欠な電気を外部の影響に左右されず、自分で賄えることで経済的、精神的な安心につながります。
原子力発電の停止や古い火力発電所の休廃止の影響で、電力の需要に対して供給が追いつかない状態であるため電気代が高騰しています。
また先ほどの章で説明したように電気代は世界情勢やほかの理由でも、値上がりしたり下がったりしますよね。
太陽光発電があれば自宅のエネルギー需要を自分で賄えるので、外部のエネルギー供給に頼らない暮らしができますよ。
毎日電気を何気なく使用していますが何かの理由で供給がストップしたり、ますます電気代が高騰したりすれば生活が苦しくなるかもと不安です。
生活に不可欠な電気を自給自足できるのは、経済効果以上に安心で災害対策にもなります。
太陽光設置で災害時は電気のライフラインを確保できる
地震などの災害があった場合太陽光を設置していれば、太陽のある日中は電気を利用できるので最低限の電力を確保できるのが魅力です。
災害時電気が家庭で確保できるのは安心です。
ただし発電した電力を使用できるのは太陽光がある時間だけで、パワーコンディショナーには蓄電機能がないため夜間は使用できません。
蓄電したい場合は蓄電池の設置が必要ですが、災害時に最低限必要なスマートフォンの充電や冷蔵庫・照明器具が使用できるのは安心ですね。
蓄電池は高額でどの家庭にも導入するのは難しいですが、補助金を出している自治体もあるのでこれから普及するでしょう。
化石燃料を使わず太陽光で発電するので環境に貢献
太陽光発電は再生可能エネルギーであり、化石燃料の使用を削減し二酸化炭素の排出量が減るので環境に優しいです。
火力発電のように温室効果ガスを排出し続けると地球温暖化や、洪水などの増加など気候がますます不安定になります。
新築で太陽光設置すれば二酸化炭素などの大気汚染物質が出ないので地球にやさしいですよ。
誰もがエネルギー問題など環境について考えないとならない時代です。これから省エネ住宅がどんどん増えていきます。
私たちができる範囲で太陽光発電を始めることが、脱二酸化炭素を実現し持続可能な社会づくりに近づく一歩になりますね。
これから新築するので子どもや孫の世代のことも考えて行動しようと思います。
こちらの本のタイトル「発電貯金」生活のススメとあるように、経済メリットを生む仕組みについてわかりやすく書かれています。
この本が発行されたのは2010年ですが、太陽光発電のメリットである電気代節約や、地球にやさしいエネルギーであることを理解するにはもってこいの1冊です。
新築の太陽光は義務化が進むので情報収集が大切
新築の太陽光義務化はすべての国民対象ではなく、東京都が2025年の4月から都内の新築一戸建て住宅に太陽光パネルの設置を義務化します。
年間2万平方メートル以上の建物を建築する事業者が対象です。
設置義務化の対象は既存住宅やビルではなく、新築住宅やマンション・ビルになりますよ。
東京都の太陽光義務化に関する内容は以下の通りです。
条件 | 内容 |
---|---|
設置する業者 | ・ハウスメーカー ・工務店 ・東京都に認可されている業者 |
設置の条件 | ・年間2万平方メートル以上の建物を建築する業者 ・新築住宅 |
住宅購入者の負担 | ・初期費用はすべて(東京都から助成あり) |
住宅の購入者は、太陽光発電を導入した住宅を選ぶかどうかという判断をすることで義務化に関わることになります。
個人に対しての義務化ではありませんが、政府も2030年までに新築住宅の約50%をZEH住宅にすることを目標にしているため太陽光発電の導入は今後増加します。
京都府では補助金や0円ソーラー制度などの支援を実施
京都府は2020年4月から延床面積2,000㎡以上の建物を建てる場合、太陽光発電の設置を義務付ける条例を制定しました。
2021年4月条例が改正され、延床面積300㎡以上の住宅やビルも設置が義務付けられました。
対象は建物の建設業者で、設計士には購入者に対する太陽光についての情報提供および説明の義務もあります。
京都府は住宅購入者の費用負担軽減のため、補助金制度や0円ソーラーといった支援を実施しています。
補助金の内容を以下の表にしました。
補助金の対象 | 補助金 |
---|---|
太陽光発電 | 20万円 |
蓄電池 | 10万円 |
太陽熱利用システム | 10万円 |
今後新築で太陽光設置を検討している場合、2023年度も補助金制度は実施されますので定期的に最新情報を確認しましょう。
また初期費用0円で太陽光発電を設置できる、京都0円ソーラープラットフォームという支援制度もありますよ。
初期費用を設置事業者が負担し、設置後10年〜20年間の契約期間毎月リース代を購入者が支払う仕組み
初期費用が0円で設置できるなら我が家でも導入しやすいわ。
太陽光の情報はめまぐるしく常にアップデートが重要
日本は2050年までにカーボンニュートラルの実現を目指すため、新築住宅には太陽光設置をすすめる動きが活発です。
カーボンニュートラルとは温室効果ガスの排出を全体としてゼロとし、排出せざるをえなかった分については同じ量を吸収か除去し差引きゼロを目指すことです。
このひとつに再エネルギー政策として太陽光発電の導入がすすめられています。
インターネットでは太陽光発電に対するネガティブなイメージや誤解も多くあり、そもそも古い情報のままのことがあります。
太陽光は7割が損をするとか、悪徳業者に引っかかったなど良くないイメージがありました。
今は国が太陽光発電導入を促しているので、これから新築を検討している場合は太陽光発電に関した情報を常にアップデートして、導入するかの選択が必要です。
まとめ
- 新築の太陽光で後悔しないために、導入にかかるコストとかけた費用を回収するまでには10年前後の期間が必要なことを理解する
- 太陽光設置は初期費用以外にもメンテナンスなどにコストがかかったり、補助金などの制度を知らなかったりとお金の面で後悔するパターンがあるため正しい知識が必要
- 契約する前に発電量、売電収入、電気代の節約がどれぐらいになるかをシミュレーションすることが大切
- 太陽光は設置やメンテナンスを含むアフターサービスに専門的知識が必要なため、信頼できる業者選びが重要
- 太陽の動きは決まっているため太陽光設置前に、反射光がどこに何分当たるかシミュレーションしてもらえる業者を選べばトラブルを回避できる
- 新築に太陽光を導入するメリットは電気代の削減や災害対策としての価値に加えて、環境への貢献が高い
- 太陽の光を利用して電力を生成し自家消費できる電力量が増えると、電力会社から購入する電気量が減少するので電気代の節約になる
- 新築の太陽光義務化は現段階ではすべての国民が対象ではなく、東京都が2025年の4月から都内の新築一戸建て住宅に太陽光パネルの設置を義務化する
太陽光は設置にお金がかかったり、以前のようにコストが回収しにくくなっていたり、悪い業者につかまると大変というマイナスのイメージでした。
しかし太陽光についての理解を深め後悔しないよう対策をすれば、経済的で環境にも優しいことがわかりました。
これから新築する場合、太陽光導入は国の政策でもあるためぜひこの記事を参考にしてください。
太陽光システムは複雑でインターネットの情報だけでは十分に理解をするのは難しいかもしれません。
初心者にもわかりやすいこちらの本なら、楽しみながら太陽光発電について理解を深められますよ。
この本の著者が設置奨励をしているのではなく、後悔しないためのより良い発電生活を目指すために書いている点もおすすめのポイントです。
コメント