フラットな玄関は仕切りがなく、開放的でおしゃれなイメージがあるため、新築を建てるとき候補に入れることもあるでしょう。
もしくは、玄関で靴を脱ぐ習慣の日本人にはあまり馴染みがないため、賃貸で引っ越した先の玄関がフラットで驚く場合もあるかもしれませんね。
フラットな玄関は土間と家の中のさかいに仕切りがないため、外の汚れが直接家に入ってきやすいと言われており、仕切りの役目をする工夫や汚れ対策が必要です。
しかし、きちんと汚れ対策をしたり工夫をしたりすることで、フラットな玄関を快適な空間にできますよ♪
この記事ではメリットやデメリットを正しく理解し、そのうえでできる汚れ対策や工夫の仕方を紹介しています。
新築への採用を迷っている場合や賃貸で借りた部屋がフラットな玄関で困っているときは、ぜひ参考にしてください。
フラットな玄関は仕切りがない!メリットとデメリット
フラットな玄関は段差がないため出入りしやすい一方、仕切りがないので汚れが室内に入りやすく、何か仕切りとなる対策が必要になってきます。
日本の住宅の玄関は段差があることが多いですが、最近ではマンションやアパート、新築の戸建てでフラットな玄関を採用する人も増えてきているようです。
フルフラットな空間では異素材の床をつなげる見切り材がある場合もありますが、高さは2~3mmくらいなので段差というには低すぎます。
新築にと検討する際、まずはフラットな玄関のメリット・デメリットを正しく理解することが大切です!そして、デメリットを理解したうえで対策法を考えてみましょう。
最大のメリットはバリアフリー効果や安全性の高さ
フラットな玄関の最大のメリットはバリアフリー効果で、段差がないのでお年寄りだけでなく、小さな子供や妊婦さん、けがをした人にとっても安全です。
私は、父が闘病中に畳とフローリングの段差を越えるのに苦労していたのを見たことがあり、家の中の段差はなるべくないほうが良いと考えています。
また、いざ車いす生活になってしまった時に、狭い玄関にスロープを作るのは大がかりな工事になりますし、スロープが作れない場合もあります。
後になって後悔しないためにも、フラットな玄関にした場合はどのようなメリットや効果があるのか解説していきます。
バリアフリー効果は上でも紹介しましたが、私が以前住んでいた家は、玄関の段差が30㎝くらいと高く、一度目を離したすきにハイハイ期の娘が落下したことがあります。
フラットな玄関は落ちる心配がないから、安全で安心できるわ!
もし、車いすのことを考えてフラットにするのであれば、玄関のアプローチもスロープにする必要があることを覚えておいてください。
家を建てる際、居住スペースを広くしようと考えると、玄関に十分な広さを作れない場合があります。
フラットな玄関の場合、仕切りがないので、玄関とホールに一体感があり、狭い玄関でも空間を広く感じさせる効果があります。
外国のフルフラットな玄関は靴を脱ぐ習慣がないからで、上がり框のある玄関は日本独自のつくりです。
家が洋風な場合や外国風のインテリアが好きな場合は、フラットな玄関にすることで統一感のある素敵な家づくりができますよ♪
お掃除ロボットで代表的なルンバは2㎝の段差まで乗り越えることができますが、フラットな玄関なら、ルンバもすいすい走って掃除してくれます。
ただし、玄関の土間部分に掃除機をかけたくない場合は、汚れの侵入防止対策を行う必要があります。
デメリットは外の汚れが室内に入りやすいこと
仕切りがないことから、外の汚れや雨水などが室内に入りやすいというデメリットがあるので、きちんと対策をして玄関に汚れを入れないことが大切です!
ホテルの部屋に入ったとき、入り口と部屋の間に仕切りがないため、どこで靴を脱ぐか迷うという経験をしたことはありませんか?
実際に、知り合いの家がフラットな玄関で仕切りがなく、どこで靴を脱げばよいか分からなくて驚いたという声があります。
デメリットも対策をすれば解決できるので、新築にフラットな玄関を検討している人はチェックしてみましょう。
玄関のドアを開けて、全く仕切りがないまま家の中に入るので、外からの汚れが持ち込まれやすいのは想像がつくと思います。
我が家は18㎝の上がり框であり、土間には土や泥、砂やほこりなどの汚れが見られますが、玄関ホールは目視での汚れは見当たりませんでした。
外からの吹き込みがあったときに、土間の汚れが室内に入り込むから対策が必要ね…。
汚れの侵入を防止する代表的な対策は、玄関マットを敷いて靴底の汚れを落とすことです!
また、雨の日用に玄関にタオルを置いておき、水滴や泥をぬぐってから室内に入る習慣をつければ、雨水や湿気対策にもなります。
お年寄りや小さな子供は座って靴を履くことが多いですが、床に座り込んで履くのも大変ですし、お年寄りはその後立ち上がるのも一苦労ですよね。
玄関のすぐ近くに小さな椅子を置いて、必要な時は座って履くようにすると冷たい床に座らなくて済みますし、お気に入りの物を選べば、気分も上がります。
フラットな玄関を経験した人は、土間と玄関ホールの境目で靴を脱げばよいと分かっていても、普段の感覚と違い、どこで脱ぐか困ってしまうそうです。
来客時にはあえて靴を並べておくと、迷うことなくスムーズに靴を脱げますよ。
日常的には、脱いだ靴を靴箱にしまう習慣を身につけることで、いつでもスッキリした玄関を保つことができますね♪
フラットな玄関の砂対策にマットを敷くとお掃除も楽♪
フラットな玄関は砂などの汚れが室内に入りやすいことが分かりましたが、その対策に挙げられた玄関マットについて詳しく見ていきましょう。
フラットな玄関の砂対策で最も代表的な方法は、砂を家の中に入れないために玄関マットを有効的に使うことです。
砂が家の中に入ると足の裏にくっついてとても不快ですし、掃除機では吸いきれなかったり、水拭きしてもいつまでもザラザラしていたりします。
玄関に入ってくる汚れは砂以外にも、泥や土、花粉やほこりなど多種多様で、ウイルスなどの目に見えない汚れも気になりますよね。
汚れやウイルスが家の中に入らなければ、掃除に苦労することもなく快適に暮らせるわ♪
砂対策のために玄関の外と家の中に敷く玄関マットについて、機能や選び方について解説します。
砂を持ち込まない!屋外用玄関マットは機能重視で選ぶ
屋外用玄関マットとは、玄関の扉の外に敷く玄関マットのことで、靴の裏の泥や砂などの汚れを落とす役割があります。
デザインや種類はたくさんありますが、砂対策という役割をしっかりとこなしてもらいたいので、機能性を重視して選ぶことをおすすめします。
外の様々な汚れを玄関内に持ち込ませないので、土間が汚れるのを防いでくれ、特にフラットな玄関の場合は役目が大きいです。
家の外に敷くので来客者の目に一番に入る物とも言え、家の外にも自分のこだわりを表現できるという面もあります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
ワイヤー製 | ・網目なので水はけがよい ・靴裏のどんな泥汚れもそぎ落とせる ・十分な重さがあり、風で飛ばされる心配も少ない | ・デザイン性なし ・厚みがある |
ゴム製 | ・表面の凸凹もゴムでできているタイプ ・耐久性に優れている ・裏面もゴムなのでずれにくい ・十分な重さがある ・デザイン性が高い | ・3種類の中で1番高価 |
ポリエステル製 | ・表面が毛足の短い絨毯のようなマット ・細かな砂やほこりも絡みとる吸塵性が高い ・吸水性があるので雨水を玄関の中に入れない ・ハサミで好きなサイズにカットできる |
屋外用玄関マットを選ぶ時にはマットの厚さに注意して、玄関の扉に引っかかってめくれてしまうということがないように気を付けてください。
マットは厚ければ踏み心地が良く、汚れ落ちも期待できますが、マット自体が重たくなりお手入れも大変なので、自分に合った重さを選びましょう。
また、玄関ポーチの素材によっては、変色やマットの跡がついてしまう場合もあるので、長い期間同じ場所に敷いたままにしないようにしましょう。
100円均一にも売っているから、お手入れが面倒な人は消耗品として使うのもいいかも!
風水では、特に屋外用玄関マットは、外からの汚れを屋内に持ち込まない働きから、良い気を増やすといわれています。
フラットな玄関の砂対策として屋外用マットを敷くことで、汚れをシャットアウトしながら運気をアップさせるのもいいですね♪
屋内用マットを敷いておしゃれに汚れ対策しよう
屋内用の玄関マットは、外の汚れを持ち込ませないだけではなく、インテリアとして来客者をおもてなしする役割もあります。
欧米で玄関マットというと先ほど解説した屋外用マットが主流ですが、日本では屋内でも利用されていることが多いです。
お手入れが面倒かもしれませんが、フラットな玄関の場合は敷いたほうが良いでしょう。
玄関マットの上を歩くことで砂やほこり、雨水、夏場は素足の湿気取りなど、家の中を汚さない効果が期待できますよ!
フラットな玄関のデメリットに、靴の置き場が分からないというものがありましたが、室内の入り口にマットが敷いてあれば境界線が明確になります。
屋内用マットは、デザイン性が高く、自分の好みに合った物が選べるので、季節によって変えることもでき、インテリアの一部として気軽に玄関の雰囲気を変えられます。
また、柔らかい肌触りなので、玄関先で座る必要があるときにお尻が冷えませんし、床の傷防止としての役割もあります。
室内用玄関マットの厚さにも要注意!ドアや各扉を開け閉めして高さを調べましょう。
また、風水で見ると玄関の方角によって運気がアップする色もありますので、参考にしてみてくださいね♪
- 東:青
- 西:黄色
- 南:緑
- 北:白、銀
形は長方形や正方形、丸や楕円形などさまざまですが、サイズが大きいとインテリアとしての主張が強くなりますので、お好みのものを選びましょう。
お客さんの目に入るものだから、洗濯機で丸洗いできるほうがお手入れが簡単ですよ♪
もし、裏面に滑り止め加工がされていない場合は、100円均一にある滑り止めシートを下に敷くと、マットがずれるストレスからも解消されます。
フラットな玄関の土間はどう掃除する?お手入れ方法
玄関マットを敷いていくら汚れを防いでも、毎日の出入りによって玄関の土間は汚れてくるので、掃除は必要ですよね。
フラットな玄関の土間は、水を撒くと直接室内にも水が侵入してきてしまうため、必要な部分のみ水ぶきや洗剤を使って掃除をします。
玄関の土間掃除というと水を撒くイメージがありますが、水を撒かずに行う玄関掃除の仕方を理解し、フラットな玄関をきれいに保ちましょう。
玄関の汚れは、土や泥、砂ぼこりや花粉、カビなどの靴裏についてきたものや、排気ガスなどですが、乾いた状態ならほうきで簡単に落ちます。
そのため、日頃のちょこっと掃除が重要で、ついた汚れを早いうちに落とすことで、大がかりな掃除をしなくても済みます。
数カ月に1回時間ができた時にやる、キチンと掃除の方法を解説します。
フラットな玄関は室内側からも汚れが目立って気になると思うので、正しい掃除方法で清潔な玄関を保ちましょう。
タイル素材の土間にはアルカリ性洗剤を選ぼう
玄関の土間にはタイルや天然石などが使われており、水拭きで落ちればそのまま乾燥させますが、洗剤を使いたい時は、土間の素材によって違いがあるので詳しく解説します。
土間がタイルの場合、洗剤はアルカリ性の洗剤を使い、メラミンスポンジやデッキブラシを使って汚れを落とします。
タイルの表面がツルツルかザラザラかによっても道具が異なりますので、確認しましょう。
また、アルカリ性洗剤についてはセキス水や重曹などで対応できるため、手作りするか100均などで購入しておきましょう!
- セキス水:セキス炭酸ソーダ小さじ1に水500ml
- 重曹スプレー:重曹小さじ1に水100ml
玄関の汚れのほとんどは酸性なので、アルカリ性洗剤で落とすことができます。タイルの汚れに洗剤をスプレーし、5分ほど置いた後にこすり取りましょう。
洗剤が残っていると乾いた後に白くなってしまうことがあるので丁寧に水拭きした後、しっかり乾拭きをして水気を取ってくださいね。
玄関の土間が天然石の場合は中性洗剤を使う
玄関の土間が天然石の場合は傷まないように、酸性やアルカリ性の洗剤を使うのは避けて中性洗剤を使います。
天然石はデリケートな素材なので、こするよりもふき取るイメージで掃除をしましょう。
タイルの場合はスポンジやブラシが必要でしたが、天然石の場合は柔らかい素材のマイクロファイバーがおすすめです。
中性洗剤は、ウタマロクリーナーなどの住宅洗剤や食器用中性洗剤で問題ありません!
掃き掃除のときはそのまま履くよりも、新聞紙や紙袋、古着などを濡らしてちぎって撒いてから掃除を始めると、ホコリや砂の舞い上がりを防止できます。
どんな素材の床材でも、傷を付ける心配はあるので、汚れを落とす前に目立たない場所で試すようにしましょう。
土間が濡れたままだとカビや湿気につながるので、しっかりと乾燥させましょう!
玄関に水を撒くと大掛かりな掃除になりますが、汚れたところだけ水拭きをしたり、洗剤を使ったりすれば、その後の乾燥も短時間で済みます。
玄関掃除は汚れがこびりつく前に取るのがポイントになってくるので、日々の小掃除が習慣になると、簡単にお手入れできるのでいいですね♪
フラットな玄関は賃貸にもある!簡単にできる工夫
賃貸で住み始めた部屋がフラットな玄関の場合、砂対策をしたいけれどドアに十分な高さがないために屋外用マットが敷けないことがあります。
玄関の外にマットを置けない場合は玄関マットを玄関の土間に置く、ウッドパネルや段差解消スロープで段差づくりをすることで砂対策ができますよ。
- 玄関マットを土間に敷く
- 段差を作る
それぞれの方法について注意点も確認しながら、ご自宅に最適な方法を見つけてみてください♪
玄関マットを土間に敷いて靴裏の汚れを落とす
1番簡単な方法は、玄関の土間に屋外用マットを敷くことで、これによって靴裏の汚れを玄関マットに落とし、室内に汚れが入ることを防ぎます。
玄関扉は外開きが多いから、玄関マットがめくれる心配をしなくても大丈夫です。
しかし、賃貸では玄関が狭いこともあり、大きさによっては玄関の土間いっぱいに玄関マットを敷くことになりますし、フラットな玄関なので、室内より玄関の方が高くなります。
ゴミは高いところから低いところへ落ちるので、土間に玄関マットを敷くと、より低い室内の床にゴミが落ちてしまう可能性があります。
玄関の土間に玄関マットを敷くことに加えて、室内との境目に仕切りを作り少し段差を作ることで、室内にゴミが侵入してくるのを防ぐことができます。
玄関と室内の間に段差を作って汚れをブロック!
砂やほこりが入ってこないようするため、ウッドパネルや段差解消スロープを使用して段差を作る方法もおすすめです!
- ウッドパネルを並べる
- 段差解消スロープを置く
一つ目は玄関の土間の最も室内側にウッドパネルを並べる方法で、ウッドパネルの高さと幅の広さによって室内に汚れが侵入するのを防ぎます。
実際に設置してみると汚れの軽減を実感することができ、ウッドパネルに座ることもできるので靴を履くときに活躍してくれますよ♪
二つ目は車いす用の段差解消スロープを土間と室内の境目に置く方法で、一般的な使い方とは反対に玄関側が高くなるように置きます。
高さ2cm程度ですがゴミの侵入を防ぎ、幅が狭いため室内においても違和感がありません。
室内に汚れを持ち込むのは掃除の手間が増えるだけでなく、毎日のイライラポイントにもなり精神的にも気持ちよくないですよね。
賃貸であっても、土間の広さに応じで玄関マットを敷いたり、ウッドパネルやスロープなどで段差を作ったりして、フラットな玄関を快適な空間にできるといいですね♪
まとめ
- フラットな玄関の最大のメリットはバリアフリー効果で、その他に玄関を広く見せる、外国風の家に合う、お掃除ロボットが通れるという良さがある
- 段差となる仕切りがないフラットな玄関は、砂やほこりなどの汚れ、雨水や湿気が部屋の中に入りやすいという大きなデメリットがある
- フラットな玄関の砂対策は、砂を家の中に入れないようにするために、機能性を重視した玄関マットを有効的に使うことが重要
- 玄関マットは、マットが玄関の扉に引っかからないよう厚さに注意したり、お手入れのことを考えて重さや素材を選んだりする
- 屋内用の玄関マットは、外の汚れを持ち込ませないだけでなく、室内との境目の目印にしたり、インテリアとして来客者をもてなしたりする役割がある
- 土などに代表される玄関汚れは、乾いた状態ならほうきで簡単に落ちるため、ついた汚れを早いうちに落とすことが重要
- 水拭きで落ちない場合に使う洗剤は、タイルはアルカリ性洗剤、天然石は中性洗剤を使い、表面を傷つけないように道具にも注意する
- 玄関の土間が濡れた状態が長時間続くと、カビや室内の湿気につながるので、掃除が終わった後は、きちんと土間を乾燥させる
- 賃貸で屋外用マットが敷けない場合は、玄関の土間の中に屋外用マットを敷くことで、靴裏の汚れを土間で落とすことができる
- 土間にウッドパネルを並べたり、段差解消スロープを室内との境目に置いたりして、仕切りとなる段差を作り、室内にゴミが侵入するのを防ぐ
仕切りがないフラットな玄関は、汚れが室内に入りやすいというデメリットがありますが、汚れを入れない工夫をしたり、日々の掃除を習慣化したりすることで対策できます。
バリアフリーを期待することはもちろん、玄関の空間を広く感じさせたい、家のテーマを玄関でも演出したいという方には、フラットな玄関が向いていると感じました。
そのような方がフラットな玄関を採用することで、玄関が自分のお気に入りの場所になり、マイホームをもっと好きになれますよ♪
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