近年、日本の夏は寝苦しい熱帯夜が続く傾向にありますが、寝るときの冷房の温度は何度が良いのか悩みますよね。
一般的に寝るときの冷房の温度は、体温から10度引いたくらいの26度から28度が一番良いと言われています。
ところで、私の家ではこんな光景も…。
あぁもう!暑くて寝られない!
冷え過ぎるから下げないで…。
リモコンを手にしてピピッ!と冷房の温度を下げる夫と、部屋が冷えてきて温度を上げる妻。
あなたのお家でもこんな攻防を繰り返していませんか?
実に3組に1組の夫婦が冷房の温度をめぐり、ケンカをしているそう!
しかし、寝る時にうまく冷房を使いつつ、着るものや寝具で調節すれば、暑がりさんも寒がりさんも心地よく眠れます。
この記事では、睡眠の質を上げ、電気代を節約する冷房の使い方やコツをご紹介します♪
冷房温度を寝るとき28度以下に♪朝までぐっすりのコツ
一般的に、寝るときに最適な冷房の温度は26度から28度程度と言われていますが、年齢や性別によって体感温度が異なりますので、個々の快適な温度を見つけていきましょう。
また、温度だけでなく湿度の管理も快適な睡眠を確保するためには重要な要素であり、理想的な湿度は50%程度なので、同じ温度でも湿度が高いと体感温度が上がり、より暑く感じます。
それじゃあ、寝るときは冷房ではなく除湿にしたほうが良いの?
除湿機能は温度を下げて、湿度も減らすため体が冷え過ぎてしまうので、寝るときはやはり冷房のほうが良いでしょう。
ムシムシと蒸し暑く寝苦しい夜には、寝る30分前から除湿機能で寝室を冷やしておき、寝る段になったら冷房に切り替えるというのもありですね。
体がだるくなる原因である冷えをパジャマで予防しよう
体がだるくなるから冷房は使いたくないの…。
そうおっしゃる女性は少なくないですが、寝室が29度を超えているにも関わらず、扇風機のみで冷房をつけないのは、熱中症を起こすリスクが高くなり危険です。
寝ているときは体温調節するための反射機能が低下しており、寒いなと感じたときにはもう、体はすっかり冷え切っているのですが、その冷えこそが体のだるさの原因です。
長袖・長ズボンのパジャマを着て、冷房の風が素肌に直接当たらないようにすることが寝冷えを防ぐポイントです。
寝る1時間前に冷房をつけた後はサポート機能で快眠へ
冷房をつけると寒いし、消すと暑くて目が覚めてしまうのよね…。
冷房をつけると寒くなり、消すと今度は暑くて目が覚めてしまうと悩むのは、あなただけではありません。
快眠へと誘う冷房の使い方をご紹介しますので、夜中に暑さで何度も目が覚めることもなくなり、睡眠の質がぐっと向上しますよ♪
まずは、寝室の窓を開けて換気して、こもっている昼間の太陽光の熱を逃がしてから、あらかじめ寝る1時間前に25度くらいの低めの温度設定で冷房をつけておきます。
寝る段になったら、設定温度を26度から28度に変更するか、「おやすみ運転」など快眠をサポートするエアコン搭載の便利な機能を使いましょう。
寝る直前は体温が高く、よく冷えた寝室を心地よく感じ、寝入る時点で徐々に体温も下がり、きもちよく眠りにつけます。
室温は設定温度になるまで送風運転でゆっくりと上昇していきますので、寝ついて体温が下がった頃には室温が適温になっているので、冷え過ぎる心配がありません。
切タイマーを使うと、冷房が切れた後に室温の上昇で目が覚めてしまい勝ちなので、朝までつけっぱなしのほうが、安定した室温で快眠できます。
夏でも38度から40度のお風呂に入ると寝つきが良い
寝る1時間前までに38度から40度の湯船に浸かり、10分から20分ほど入浴しましょう。
入浴すると深部体温は約0.2から0.3度上がるといわれており、体は一度上がった深部体温を反動で下げようとする性質がありますので、この落差がスムーズな入眠につながります。
また、夏場はシャワーしか浴びないという場合でも、足首・手首・首の後ろなど太い血管が通っている部分に、少し熱めのシャワーを5分ほど当てることで、効率よく深部体温を上げられますよ。
熱帯夜は朝までエアコンをつけっぱなしにして冷やそう
室温が28度を超えると、熱中症のリスクがぐんと高まるので、寝るときも28度以下を保つために、エアコンは一晩中つけっぱなしにしましょう。
昔は今ほど暑くなかったので、寝るときに冷房はつけないというのが普通でしたが、今の時代は冷房をつけないと、本当に夜間熱中症で死んでしまう危険があります。
特に熱帯夜はエアコンをつけないと、壁や天井にこもった輻射熱で外気温よりも室温が高くなりますので、冷房をつけることは必須です。
東京都監察医務院によると、令和2年夏期(6月から9月間)熱中症で死亡された方の239人中220人が屋内で亡くなっています。
亡くなった大半の方はエアコンの設置が無い、もしくは故障の場合も含めてエアコンを使用していなかったというデータがあります。
また、令和元年夏期(6月から9月)の東京都23区の熱中症死亡者数をとき間帯別でみると、135人中40人が夜間に亡くなっているという統計結果もあります。
暑い日は無理な我慢をしないで冷房をつけましょう!
あなたのお住まいの地域や住環境、使用条件などによっても変わりますが、エアコンの入り切りを繰り返すたびに、エアコンを切った後は1.5度から2.5度室温が上昇します。
エアコンの入り切りを繰り返したほうが消費電力は若干低いのですが、室温が上がるたびに目がさめて冷房をつけ、寒くなったら消して、を繰り返していたら、睡眠を確保できませんよね。
寝るとき以外の冷房温度の目安は一般的に25度から28度
それでは、夜寝るとき以外の冷房の目安は何度でしょうか?
環境庁が目安としてすすめている温度は28度で、一般的には25度から28度が許容範囲とされていますが、やはり個々の環境等によって異なるため、より快適な温度は人それぞれです。
よその家は冷房の温度を何度にしているの?
実際のところ、地球温暖化防止活動推進センターによると…
冷房の設定温度は、28度設定が44%と最も多く、次いで27度設定が24%、26度設定が14%であった。東京都では「室温28度」を目安にすることを推奨しているが、室温を28度にするために、設定温度の許容を26度(28度-2度)以下とすると、その設定が86%であり、室温28度を目安に設定されている。
引用 地球温暖化防止活動推進センター クールネット東京
28度が44%で最も多いですね。
※環境庁がすすめている目安の温度は、エアコンの温度設定ではなく、室温が28度であるということですので、温度計で実際の部屋の温度を確認することが必要です。
冷房温度の目安は大人の男女と子供と赤ちゃんで異なる
冷房の適温は年齢や性別、個々の環境等によって異なるという説明をしましたが、性別や年齢によっても感じ方は違いますよね。
私も冷え性なので、いくら暑い夏でも冷房が効きすぎている部屋では体が冷えてしまいます。
この項目では、大人の男性と女性、子供、赤ちゃん別に、具体的な冷房の温度の目安を見てみましょう。
男性と女性で快適に感じる温度が違うのでケンカになる
さて、あなたは3組に1組の夫婦間で、「エアコンの設定温度が元でケンカになる」ということはご存じでしたか?
ここはお互い歩み寄りの姿勢を見せたいところですが、どちらに合わせるかと言えば、やはり暑がりさんが快適に感じる設定温度に合わせましょう。
一般的に、男性と女性では快適に感じる温度に3度から5度程度の差がありますが、男性が暑がりなのは、女性よりも筋肉の量が多く、熱量がたくさんあるからです。
夫はタオルケットや薄い夏掛けの寝具に半袖・半ズボンのパジャマ、妻は寝具を厚めのものにしたり、汗をよく吸ってくれる長袖・長ズボンのパジャマを着たりと調節しましょう。
綿やシルク製のパジャマがよく汗を吸ってくれますよ♪
長袖・長ズボンのパジャマでもまだ寒いときは、首まわりに何か巻いたり、腹巻きをしたりして冷えを防ぎましょう。
また、末端冷え性の場合は足元を温めると良いのですが、靴下を履くと足裏から汗を出して体温調節するのが難しくなるので、レッグウォーマーでふくらはぎを温めるのが良いですよ。
「頭寒足熱」で、頭を冷やせば眠りにつきやすいのね♪
暑がりの男性でも、寝具をかけないで寝ると冷えますので、血流が悪くなり、肩こり、腰痛、頭痛などを引き起こしやすくなるので気をつけましょう。
布団をかけてないわけじゃないけど、いつの間にかなくなっているんだよね…!
暑く感じるときは、ひんやりした冷感寝具やグッズを使用したり、エアコンの微風を当てたり、扇風機を壁や天井に当てて、跳ね返ってきたやわらかい風を当てると良いです。
風をあてると、体感温度は実際の温度よりも2度下がり、涼しさを感じられます。
子供が寝るときの冷房の温度は大人よりも少し低めに
子供は体温が高いので、寝るときの適切な冷房温度の目安は、大人が快適に感じる温度よりも1,2度低めの24度から26度程度がおすすめです。
子供は体温の調節能力が十分に発達していないので、気を配ってあげる必要がありますが、年齢や個人差、体調、部屋の状況によって適切な温度は異なります。
子供と一口にいっても、年齢によって体温調節の能力が異なり、幼い子供は大人より温度変化に敏感です。
部屋の温度が低過ぎると風邪を引いたり、体調不良になったりしますので、十分注意してあげましょう。
子供の寝室が2階などで直射日光が当たる場合は、昼間の熱がこもって夜間も高温になりますので、窓を開けて換気をした後に、温度に応じて冷房の設定を調整しましょう。
体温調節が難しい赤ちゃんが寝るときの冷房の温度は?
赤ちゃんが寝るときの適切な冷房温度の目安は、25度から27度程度が一般的にはおすすめです。
赤ちゃんも子供同様に体温の調節能力が十分に発達しておらず、大人以上に暑さや寒さを感じやすいので、部屋の温度が低過ぎると体調を崩すことがあります。
赤ちゃんの様子をよく観察し、体調、部屋の状況によって適切な温度に微調整してあげてくださいね。
服やブランケットなどでこまめに調節を♪
冷房の温度で電気代を節約する!省エネ合わせワザ12選
ここのところ大幅に上昇している電気代、さらに猛暑、どうすれば良いの?と頭が痛い状況ですが、少しでも工夫して節約したいものですよね。
冷房をつけっぱなしにするのが良いのはわかったけど、電気代が気になるわね…。
日差しをさえぎる、エアコンのフィルターを掃除する、室外機まわりにものを置かない、日よけをするなどで、20%もの節約効果があります。
ここからは、電気代を節約できるエアコンの効果的な使い方についてご紹介しますので、ご一緒に小さな工夫を重ねて電気代を節約しましょう!
エアコンの冷房温度を1度上げると約10%節約できる
一般的には、部屋の温度を1度下げるごとにエアコンの消費電力は約10%増加すると言われています。
冷房の温度が低くなるほど電気代は高くなりますので、冷房の温度設定を上げれば電気代を節約することができます。
下記の図は、ダイキンによる「2度設定温度を上げたら、20%以上の節電効果が実証された」徹底検証の結果です。
冷房の設定温度を25度から28度に3度上げたら、約30%程度も電気代節約ができるのね!
エアコンの風量設定を自動にして室温を維持しよう
エアコンの風量は自動に設定しておくのが一番効率が良いです。
エアコンの風量を高めに設定すると、部屋の温度を下げるために必要なエネルギーが増え、逆に微風や弱風は、設定温度に達するまでに時間がかかり、無駄な電気代が増えます。
エアコンで電力消費が大きいのは、電源を入れてすぐなど設定温度に向けて温度を上げるか、もしくは下げている時なので、設定温度に達した後に室温を維持する電力は少なめです。
また、下記の点も節約に効果的なポイントです。
私は冷たい風が直接当たらないように風向を上向きにしていますが、エアコンから遠い場所でも涼しく過ごしたい場合にも上向きの設定はおすすめですよ♪
フィルターを定期的に掃除してエアコン効率を上げよう
2週間に1度程度フィルターを掃除すれば、エアコンの効率が上がり、約5%の節約になります。
エアコンは部屋の暖かい空気を吸い込み、冷たい空気にして吐き出すことで、部屋を涼しくしています。
エアコン内部のフィルターが目詰まりすると、吸い込む空気の量が少なくなってパワーも弱まるので、部屋を冷やすのに多くの電気が必要になります。
フィルターのゴミやほこりは水洗いをするか掃除機で吸い取りますが、汚れがひどいときには中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗った後に、しっかりと陰干ししましょう。
フィルター掃除を自動でやってくれるエアコンも増えてきていますよね♪
室外機は日陰に設置するか日よけをして直射日光を防ぐ
室外機から1mほど離れたところに植木を植えたり、よしずをたてかけたりするなどして日陰を作ってあげるか、日よけなどで直射日光をさえぎりましょう。
室外機を不適切に扱っていると、熱を放出する能力が下がってしまい余計に電気代がかかってしまいますので、いくつか注意点をご紹介します。
- 直射日光や照り返しで、室外機周辺が高温になる
- 吹出口を塞いでしまうと熱を放出しにくくなる
エアコンの室外機は、部屋の中の熱を吸い込み、戸外へ放出するときに多くの電力を使います。
室外機の吹出口をふさいでしまうと、能力が低下し電気代がかかってしまいますので、室外機のまわりにはものを置かないようにしましょう。
扇風機やサーキュレーターを併用して効率よく冷やそう
暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へたまりやすく、温度ムラがあると冷房は必要以上に部屋を冷やそうとして余分な電力を使ってしまいます。
エアコンと扇風機やサーキュレーターを併用して、効率よく空気を循環させましょう。
エアコンから吹く風を背にして、風を送る方向に扇風機を向けると、冷たい風をさらに遠くに送れます。
エアコンの使い方以外にも、電気代節約の対策はまだまだありますよ。
カーテンを閉めておけば窓からの日差しをさえぎれますが、日中から閉めっぱなしにしたくない場合はグリーンカーテンの設置などもおすすめです!
グリーンカーテンの作り方については、「グリーンカーテンの作り方を100均の道具で紹介!光熱費削減の効果も♪」をご覧ください。
外気温が室温より低いなら換気してから冷房をつける
外気温が低いときや部屋に熱がこもっているときには、窓を開けて換気し、熱気を外に出してから冷房をつけましょう。
窓は1カ所開けるよりも、対角線上の2カ所を開けるほうが風の通りがよくなります。
ただし、外気温が高いときには、窓を閉めて冷房をつけるほうが効率的です。
また、冷房で部屋が冷えているときは、ドアや窓の開け閉めは少なくして、ひんやり冷気を逃さないようにしましょう。
窓からの直射日光を遮断して部屋温度の上昇を抑えよう
効率よく部屋を冷やすために、太陽の熱をさえぎって部屋の温度が上がるのを防ぎましょう。
内側からよりも外側からさえぎると、より効果が高いので、すだれやよしず、オーニングなどで窓に入る日差しをさえぎり、日陰を作ります。
朝顔やヘチマ、ゴーヤなどツル性の植物で作った緑のカーテンなら、見た目も夏らしくて涼やかですね♪
植物は日差しをさえぎるだけでなく、葉から水が蒸発するときに気化熱を奪って涼しくしてくれるのでおすすめですよ!
涼しい時間帯に地面、よしずなどと一緒に打ち水をかけてあげると良いですね。
他にも、カーテンやブラインドで日差しをさえぎったり、窓ガラスに断熱フィルムなどを貼ったりするのも効果があります。
部屋の空気を逃がしにくく、外気をさえぎる遮熱効果のあるカーテンに替えるだけでも違いますが、厚手で床まで届くサイズにしてさらに空気が逃げないようにしましょう。
黒など濃い色は、太陽の熱を吸収して部屋が暑くなってしまうので、カーテンやブラインドは、光と赤外線を反射する白い色にしましょう。
直射日光が入る窓では、留守中雨戸を閉めておくと、雨戸が遮熱して温度上昇を抑えてくれます。
以上のように、夏の電気代節約には、冷房の温度設定以外にも簡単にできる対策がさまざまありますので、猛暑を快適に過ごしながら、1円でも電気代を節約をしましょうね♪
電気代を節約できると言っても、どうかくれぐれも、無理のない範囲で!
まとめ
- 一般的に、寝るときに心地良い最適な冷房の温度は26度から28度程度と言われているが、年齢や性別によって体感温度は異なる
- 寝ているときは体温調節するための反射機能が低下し、冷え切っている体に気づきにくいが、その寝冷えこそが体のだるさの原因である
- 長袖・長ズボンのパジャマを着、冷房の風が素肌に直接当たらないようにすることが寝冷えを防ぐポイント
- 寝る1時間前までに38度から40度の湯船に浸かり、10分から20分ほど入浴するとスムーズな入眠につながる
- 室温が28度を超えると熱中症のリスクがぐんと高まるので、寝るときも28度以下を保つために、エアコンは一晩中つけっぱなしにする
- 子供は体温が高いので寝るときの適切な冷房温度は、大人が快適に感じる温度よりも1,2度低めの24度から26度程度が良い
- 日差しをさえぎる、エアコンのフィルターを掃除する、室外機まわりにものを置かない、日よけをするなどで20%もの節約効果がある
- 部屋の温度を1度下げるごとにエアコンの消費電力は約10%増加すると言われており、冷房の温度を上げれば電気代は節約できる
- 温度ムラがあると、冷房は必要以上に部屋を冷やそうとして余分な電力を使うので、エアコンと扇風機やサーキュレーターを併用し空気を循環させる
日本の夏は近年夜間も熱中症のリスクが高く、冷房なしでは到底過ごせなくなっているため、寝るときは冷房温度を28度以下で、朝までつけっぱなしにするのをおすすめしています。
暑がりさんも寒がりさんも上手な冷房の使い方やコツでぐっすりと眠り、電気代も節約して、この猛暑を乗り切っていきましょう♪
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